前置き
この講座では、これから歌ってみたのMIXを始める方や、歌ってみたのMIX始めたてでやり方などよく分からない方向けに基礎的な知識を掲載しています。難しい単語や正確な意味は抜きにして、MIXというものをイメージで理解できるように私独自の考え方ややり方を私個人の言葉で説明します。なので、あくまで一例としてご覧ください。決して正しいやり方や考え方ではないことをあらかじめ了承頂きます。
今回は、普段何気なくインサートスロットにエフェクトを挿してMIXされている方向けに、音声の入力信号の流れ(ルーティング)について解説しています。
この講座は、以下の項目で構成予定です。
④ルーティング編(この記事)
⑤コンプレッサー編
⑥イコライザー(EQ)の使い方と考え方
⑦ディレイ・リバーブの使い方と考え方
⑧マスタリングのやり方と考え方
是非楽しみにお待ちください!MIXってそもそも何をするの?何ができるの?という方は以下の記事をご覧下さい。
インサートスロットとは

そもそも「インサート」ってなんやねん!って方がいらっしゃるでしょう。インサートは日本語で「挿入」のことで、「インサートスロット」は次回以降で解説予定の各プラグインを挿入するための場所です。
まずDAWを起動して、モノラル or ステレオ トラックを作成します。そうするとそのトラックの「インサートスロット」が表示されますので、ここに『コンプレッサー』や『EQ(イコライザー)』といったプラグインを挿入していきます。
上記画像はCubaseのものですが、基本的には上から順番に入力された音は流れていきます。今回は上記画像をもとに解説を進めていきます。スロットは全部で8つあり、上からスロット1~スロット8とします。
スロット1で編集した音はスロット2に流れ、スロット2で編集した音はスロット3へ流れます。これはどなたでも想像に容易いことでしょう。
例えばスロット1にコンプレッサーを挿して音量を整え、スロット2にEQを挿して周波数バランスを調整したとします。流れとしては、
①コンプレッサーで音量バランスを整えた音⇒イコライザーへ
になりますし、逆にスロット1にEQ、スロット2にコンプレッサーを挿せば、
②イコライザーで周波数特性を調整した音⇒コンプレッサーへ
という流れになります。どちらもコンプレッサー・EQを1つずつ使用していることには変わりありませんが、出来上がる音(スロット3に入ってくる音)は違ってきます。①の場合はコンプレッサーで音量バランスを整えた後にイコライザーで周波数バランスを調整しているので、コンプレッサーをかけた後よりも音量バランスは崩れているでしょうし、②の場合はイコライザーで周波数バランスを整えた後にコンプレッサーを挿して音量バランスを調整しているので、EQで周波数バランスを調整した後と比べると周波数バランスは変わってしまっているでしょう。ここら辺のエフェクト(プラグイン)を使用した事による音の変化については次回以降詳しく説明することにします。
とにもかくにも、こういった音の流れ(入力信号の流れ)を意識することはMIXをする上で非常に重要になってきます。
【初心者支援】歌ってみたMIX基礎講座④
~ルーティング編~
ルーティングについて

インサートスロット1~6までは順番通りに音はルーティングされますが、スロット6→スロット7ではない点に注意です。実はスロット6とスロット7の間に『フェーダー』が入ります。フェーダーは以下の画像のような各トラックにある音量を操作する上下できるバー(つまみ)の事です。

例えばフェーダーを下げればスロット7に入る音(入力音)は小さくなりますし、逆に上げれば大きくなります。スロット8までプラグインを挿しており、そのプラグイン上で音量を調整しているのであれば、最終的な音量を決めるのはスロット8であり、フェーダー操作によるものではありません。各トラックの最終的な音量を決めるのにフェーダーで調整する場合は、スロット7・8を使用していない(スロット6までしか使用していない)場合に限る、ということですね!
ちなみにCubaseではインサートスロット含むルーティングは以下のようになっています。
◆Cubaseでのルーティング
①入力ゲイン
↓
②インサートスロット1 ~ 6
↓
③EQ(ストリップ内)
↓
④フェーダー
↓
⑤インサートスロット7 ~ 8
↓
⑥(センドトラック→)マスタートラック
上記はあくまでCubaseでの例であり、ルーティングはDAWごとに異なります。今回は各DAWのルーティングを紹介していると記事が膨大な長さになってしまうので省きますが、DAWのマニュアルにはほぼ必ず記載があるはずです。ネットで検索すれば見れると思いますので、自身が使用するDAWのマニュアルを確認してみましょう!